一般には、兄弟姉妹あるいは両親などとの家族経営は難しいと言われていますが。今現在、もうすでに始めてしまっているのであれば仕方がないわけで(涙)
結論から言うと、身内であろうがなかろうが共に経営するのであれば考えなければならないことは同じ。
家族であっても、赤の他人であっても、上手くいく場合もあれば上手くいかない場合もある。ただそれだけのことでしかありません。
実際に家族経営を経験したわたくしだからこそ、自信を持ってそう言い切ることが出来ます。
家族経営で起きる問題その1
今現在、家族で経営されているということを前提にここでひとつ質問があります。
「各人の役割は明確に分担されていらっしゃるでしょうか?」
即答できなかった方のために、もう少し別の視点から見てみます。
- 普段は一切タッチしない作業なのに、あるときサラッと参加しては口を出す
- 自分が作ったデザインを何気なく変えられる
- その日そのときの気分で適当に作業を変える
ひょっとすると、そんな毎日を過ごしてはいないでしょうか。
ある程度、各人の作業内容を決めているのであればまだマシですが、運営していく過程でなんとなく決められたような場合。そのような場合は、
- 「口には出さなかったけど私はその作業がしたかった」
- 「なんであいつだけ毎日簡単な作業なんや」
- 「私が一番長時間働いてるんだけど(怒)」
各人が不満を持っている可能性が高く。日に日に関係がギクシャクしたり、ふとした瞬間に不満を爆発させてしまったりと。
役割を明確にできていないがために、お互いがお互いの仕事内容に対して不満を持つといったことが起きる可能性が高くなるわけです。
「肩書は明確にしてるよ。」
これに関しては、「店長」「接客係」「営業部長」等々、ただ肩書を付けただけではナンセンスで。
事業を運営していくうえでのプロセス単位で責任を持つことが重要になります。
肩書を付けたいのであればつけていただいても結構なのですが、重要なのは各人の役割は何なのかであり。
事業プロセスのどこに責任を持つのかを明確にすることが必要です。
そうすることで、運営していく過程で新しい作業が生まれた場合にも、誰がその作業を担うのかが明確になるわけです。
家族経営で起きる問題その2
続いてお金に関することですが、給与の振分け配分についてです。
家族経営においてお金ごとに関する揉め事が起きる原因として、まずもって皆が共通して経営数字を理解されていないことに起因します。
だいたいの場合、ひと月の売上額程度は共有されていると思われますが、それだけでは全く持って不十分です。
ひと月の売上額だけは知っていたとしても、原価あるいは粗利、固定費、労働分配率、最終的な利益はいくらかなど。
皆が共通して経営数字を把握していないがために、経営状況をまったく考慮しない発言が飛び出すわけです。
- 「○○より自分の給与が少ない」
- 「これだけ売上があるんだからもうちょっと給与増やしても良くない?」
- 「一番長時間勤務なのに給与が少ない」
実際に事業として儲けられていたとしたらまだマシですが、収益をあげられてもいないのにそのような状態になるのは、経営層として失格と言えます。
長男だから、長女だから、あるいは年齢順に給与額を変えることについては身内ごとで様々な方針があってもおかしくないし。
万人にとって唯一の正解があるわけでなはないので誰にも異論をはさむことはできませんが。
最低限、皆が共通して経営数字を把握することができていれば、そうでない場合よりも確実に感情的な揉めごとを減らすことはできるからです。
数字に基づいた議論ができるようになるからです。
家族経営のメリット
ここまで家族経営の揉め事について解説してきましたが、家族経営の特徴として、やはり赤の他人同士よりも各人の性格・人間性を知っていることは捉え方によっては悪いことではなく。
幼いころから各人の良いところも悪いところも知っているからこそのメリットもあるわけで。
例えば、誰かの子供が小学生の低学年だった場合、
「ちょっと子供の行事あるから明日の店番頼むね!」
「ごめん。代わりに子供たち迎えに行ってくれない?」
「○○ちゃん、今日は早く上がりなよ!」
家族経営だからこそ、自分たちの都合に合わせてどうにでもできるわけで。
これが、誰か身内以外の方であればそのような融通を効かせることは中々難しくなります。
家族経営が良いか悪いかは、当事者の価値基準、当事者の捉え方次第でどうとでも捉えられるわけですが。
自分たちの考え方次第で最大限にそのメリットを享受することが可能になるのもまた事実。
そういった意味ではわたくし自身、家族経営のメリットを存分に享受してきたわけです(笑)
“経営”の概念が入っているかが重要
家族経営だからダメ、身内経営だからダメ、いわゆる個人経営だからダメ。
そんなことを考えているうちは、そもそも経営者としてあまり適切ではない可能性があるということを自覚する必要があると思います。
つまりは、家族であろうとなかろうと、「経営」の概念が入っているかどうかが重要であり。
経営が回る仕組みさえ整っていれば、何も問題はないということ。
まあ、そうはいってもやはり身内は身内。難しく考えてしまうのは仕方がないのかもしれませんが。

