個人事業者として開業したお店の経営がうまくいかず、失敗して借金を背負ってしまった場合、その後の人生を大きく狂わせます。
と言いたいところですが、すべての失敗ケースでそうなるわけではありません。借金の種類によって、その後再起できる可能性の度合いが変わってくるからです。
資本政策として借入をしないに越したことはありませんが、目指している展望によってはそうはいかないこともあります。ただ、仮に借入をした場合であっても、その借金の性質とその後の生き方を理解していれば、借金を背負って倒産してしまった場合のイメージも明確になります。
ということで。個人事業者が借入する際のイメージと注意点についてお伝えしていきます。
借金の性質の違いとその後の生活
個人事業者としてお店を開業する際の資金を自己資金以外に頼る場合。一般的に借入と言いますが、つまりは借金ですね。この借金について、一概に借金と言ってもすべてが同じ性質ではないということを理解してく必要があります。
借りる相手(債権者)によって、その性質は異なるからです。また、借金が返せず事業を倒産させてしまった場合も、それぞれにその後の生き方は変わってきます。
金融機関からの借り入れ
まずは金融機関からの借入です。銀行をはじめ、信用金庫・日本政策公庫(国金)、ノンバンクなどの借入です。
金融機関での借入の場合、廃業後に借金が残ったとしても、返していけるだけの余裕があればもちろん返していけばいいのですが、実際には無理な方がほとんどだと思います。そのような場合、自己破産するという選択があるわけですが。自己破産することによって、金融機関からの借金はチャラになりますが、その対価として社会的信用は失うことになります。
一定期間借入が出来なくなることはもちろんのこと、所有している住宅があれば差し押さえられ、官報に個人情報が掲載されたりしますが、その後再起することは十分可能です。
税金や年金などの公的支払いは免除されませんが、返済がなくなった分、日々の生活のキャッシュフローはかなり楽になります。返済の催促がないのは精神的に一番ストレスもなくなります。自分にやる気さえあれば、その後再起を図ることは十分可能です。
銀行側からしても、その金融の仕組み上、仮に小規模な個人の事業者が飛ばして(破産)しまったとしても、金融システム上大きな影響は受けません。もちろん、しっかりと返済できるに越したことはありませんが、「返せないし自己破産するのも気が弾けるしどうすれば・・・」などと死を意識するほど思い悩むほどの事ではないので、気持ちを割り切って再起に向けて歩みだすことが可能です。実際に自己破産しなければいけないような状態になった場合は、この事を思い出してください。
身内親族からの借金
次に、身内親族からの借入です。銀行などの金融機関とは異なり、直接的に取引を行う形態です。
この身内親族からの借金の場合、もちろん返さなくていいわけではありませんが、仮に返せなくなったとしても社会的に再起を図ることは容易です。
身内であるがゆえにチャラにしてくれたり、余裕をもった返済で勘弁してくれる可能性が高いからです。もちろん身内同士でも、その借金が端を発して事件性につながる場合もないとは言えませんが、一般的な見解としてここではそのことについては敢えて触れません。
が、身内と言えど「早く返せ。わたしたちも生活できない」と迫ってく方はいるかもしれないので、そういったケースについては、最後にお伝えする「友人・知人からの借金」でお伝えします。
友人・知人からの借金
最後に、もっとも避けたい借金。この借金は人生を大きく狂わせる可能性のある借金であり、一番注意するべき借金です。それは、友人・知人などからの借金です。自己破産しても、金融機関のようにチャラにはなりません。
この類の借金の場合、返済を迫られた際にすぐに用意できなければ、その友人個人に迷惑が掛かってしまいます。いつまでも返済を待ってくれる心優しい方であれば話は別ですが、そういった借金はその後返済するまで自分の自由はなくなります。
自分に家族がいる場合、その家族との時間を削ってでも働いてお金を返すことになるため、自分や家族のために時間を使うことも出来なくなります。「そんな他人のことなどどうでもいい」簡単に踏み倒すことが出来る方であればその限りではありませんが、僕も含め多くの人はそう言った行動をとることは出来ない人間だと思います。そうなると、借金返済のために自分の人生という貴重な時間を無駄にしてしまうことになります。
自分自身でお金を準備(貯める)する時間を友人や知人からの借金でショートカットした分、そのショートカットしたつけが後からやってくるということです。
金融機関ではなく個人からお金を借り受ける場合、そのことを念頭に置いて借りる必要があります。最近では、「やりたいことがあったらお金を出してくれる人がいる」「お金は余っている」などと簡単に発言される著名なお方もおられますが。それが「貸付」という名目ならば、一時の衝動的な気持ちだけで安易に個人から直接的にお金を借りることは、出来る限り避けた方がその後の人生を狂わす可能性は低くなります。
親が資産家でいくらでも金を出してくれる。そういったケースでない場合、個人からの直接的な借金については、その後返せなくなった場合のリスクを真剣に考えた上で借りるのが得策です。
返済できる根拠を持つこと
開業後、結果的に倒産して借金を背負ってしまう理由の多くは、「計画性なく借り入れしてしまうから」この一言に尽きます。
「本当に必要な借入なのかどうか」「事業計画の内容通りにいけば返済可能な額なのか」借入をするためには、その後返済していけるかどうか明確な根拠を示すことが出来なければ、ほぼ100%返済していくことは出来ません。
返済できる計画もないのに運よく借入など出来てしまった日には、それこそ本来なら被る必要のなかった被害まで被ってしまいます。これは僕自身も痛いほど経験しています。計画のない者に借金は返せません。運が悪ければ返済することは出来ないなどというのは経営ではないです。
やはり、借入をするうえで重要なのは返済できる根拠を持つこと。すなわち計画性を持つことです。経営数字をもとに、返済可能かどうか計画を立ててみることです。個人の事業者が借入をする場合には、まずは返済計画を立てること。
そうすれば、仮に失敗しても必要最小限の借金を背負うだけで済みます。倒産ではなく、計画的な廃業という形で終わらせることができたのなら、またいつでも再起を図ることが可能なのですから。
これから個人事業で借入する方は、ぜひ参考にしてみてください。
ご利用は計画的に。
