実は、僕がおにぎり屋の物件を物色し始めたとき、まだそのときは事業計画書も完成していない状態で、ざっくりとしたおにぎり屋像があるだけ。
さすがに探し始めてすぐに見つかることはないだろうということで、事業計画書づくりをおこなう前から探し始めていたわけですが。店舗を改装してくれる業者もまだ選定していなかったのですべてが素人目線です。
結局、その素人目線で選んだテナント物件と契約することになるのですが、やはり無計画で契約したことによって、数々の失敗を犯してしまったのです。
物件を決めた理由
まず僕が当時契約したテナントの情報ですが。店舗面積は約10坪。郊外にある2階建ての店舗で、借りたのはその1階部分です。僕が契約する前は1年ほど空きテナントの状態で、以前は消費者金融機関が入っていたテナントです。

郊外の住宅街に位置し、会社・企業の数は少ない地域です。当時この物件に決めた理由としては、主に以下の3つ。
- なんとんなく予算内で収まりそう
- 店舗に面した駐車場が3台ある
- それなりの交通量がある
というざっくりとした理由からこの立地に決定しました。
このときはまだ事業計画書も完成しておらず(作成にも取り掛かっていない状態)。売上予想や適正な賃料などの数字に関してしっかり考慮できていない状態です。なので、「なんとなく選んだ」というのが実際の理由だったかと思います。ちなみに、おにぎり屋を開業したいと考えていた初期に思い描いていた立地はというと。さらに現実的ではない条件です。
- 環状線に面した立地
- 交通量が多い
- 駐車場が10台ほどある
というような物件を考えていたわけですが。もちろんそんな条件のテナントなどなく。しかも、いきなりの素人がそんなところに店舗を構えられるはずもなく。そのような店舗を契約できる資金を用意できるはずもなく。よくよく現実的に考えた結果、先にお伝えしたテナントで開業することになったわけです。
仮に、運よく資金を工面できたうえに、当初理想としていた物件に契約できていたとしたら、僕のおにぎり屋人生はもっとひどいものになっていたはずなので、若干命拾いした感はあります(汗)
交渉の余地はあった
では、実際に後から振り返ってみてどんな失敗があったか。「当たり前だよな」と思えるような数々の失敗を犯すわけですが。まず一つ目の失敗として、それが起きたのがテナント物件を契約してすぐのことです。実は物件を契約したこのとき、まだ店舗工事業者が見つかっていない状態であり、相談相手も誰もいない状態です。
「もう一方この物件を検討してる方がいるから早めに契約されたほうがいいかもしれない」という不動産業者の嘘か本当かも分からない口車に載せられ、言われるがままにすんなりと契約をしてしまいます。このとき、当然の流れであるかのように、契約金そして家賃が発生してしまうという状況からスタートを迎えてしまったわけですが。
後から考えたら、それこそ工事業者が決まるまでの間くらい、例えば「実質の契約はあと1か月ほど先にしてください」「それが無理なら半月ほどは家賃マけてください」「一カ月ほどは家賃マけて下さい」くらいのことは十分交渉できたのではないかと思います。実際このくらいは十分に交渉可能ですし。
その数日後、知り合いの紹介で運よく改装業者は決まったわけですが。なぜ物件を決める前に店舗改装業者を見つけておかなかったのか。その契約した物件自体も空きテナントになってから1年以上も経っていたわけなので、考えが甘かったとしか言いようがありません。
そのテナント自体も相手不動産屋の自社物件だったし。当時の僕自身も資金が乏しかったのだから、半月分やひと月分でも家賃をマけてもらえてたとしたら、資金的にはいくらかの余裕はできていたと思います。これがまず一つ目の失敗です。
専門家には耳を傾ける価値がある
もうひとつの失敗は、業者さんの忠告を軽く見ていたために起こってしまった失敗です。実は僕がテナント契約するその時点で、テナントの2階部分には別の住人の方が住んでおられました。もちろん、契約する時にも不動産屋から伝えられてはいたものの僕はさして気にしていなかったのです。
店舗改装業者さんを連れた物件初見でのこと「この建物は木造構造で2階との間が結構薄いね~。多分オタクのお店の音が2階まで響くと思うよ」業者さんからそんな指摘をされたわけですが。「まあ、出来るだけ静かにやったら大丈夫やろう」と安易に考えてたわけです。
ですが、開業してすぐに業者さんから指摘されたことがその通り現実となってしまったのです。正直これは精神的にだいぶやられました。昼間は外出されていたので問題なかったのですが、朝と晩にはこちら側も2階から音が響いてくるし、同じように2階部分にもこちらの音がバンバン響いていたのだと思います。
もともとその建物は、当時いたるところに点在していたサラ金のATMを置いていた建物なので。造りも簡易な木造建築。あまりに世間を知らなさ過ぎた結果が招いた当然の結果だったのかもしれません。あのときのストレスはお互いに尋常じゃなかったと思います。やはり、専門家の言うことには耳を傾けなければいかんな~と。当時はすごく反省したものです。
浄化槽のマンホールから悪臭
さらにもう一つ。当時のテナントの特徴として、下水は通っておらず浄化槽だったことです。テナント管理会社から「浄化槽」と聞いたときは、「よしっ、下水料金を払わなくていいからランニングコストが浮くな」などと目先のコストだけを考えていたわけです。
「どうしましょう、店開ける前に下水工事やっときます?」そう言われても、軽く断り。浄化槽のままお店を開けることにしたのです。結果、夏場の気温が高い日には店舗の周辺が悪臭に包まれてしまいました。「なんか臭いなー」と原因を突き止めてみたら、その犯人は浄化槽だったのです。
その浄化槽のマンホールからの匂い(残飯臭のような)がすごく、近隣の方にもかなり嫌な思いをさせてしまったと思います。駐車をして車から降りた瞬間、ひどい匂いにやられた人も大勢いらっしゃったと思います。やはり扱うものがおにぎりという軽食であっても、食材を扱うわけだから食べ物の匂いに関して敏感になることは大切なことなんだなと、深く反省しました。
揚げ物などの調理もするわけだから、下水が通っていないのはさすがにアウトでした。対処するのにも余計な費用が掛かりましたし。
結局その後、下水を通すことになったのですが、工事期間中の1週間ほどは店の前の駐車場も使えない状態で。車で来られたお客さんがそのまま通りすぎていくのを見て悲しんでいたのを覚えています。余計に費用も掛かりましたし。
毎日悩まされた問題
物件のことで一番精神的にこたえたのは、やはり人との問題です。つまりは2階に住んでいた方との関係です。開業から2年間は、毎日この問題に悩まされていたのでおにぎり屋の営業どころではなかったわけです。
不動産屋との交渉であれば、毎日のことではなく一時的だし、お金だけで済みます。下水の問題にしても同じ、費用を払えば1週間で解決できました。ただし、同じ建物の1階と2階に住む者同士の関係は、お金を払うだけで解決できる問題ではないため、物件選びはやはり慎重に判断しなければならないな~と、この点に関しては非常に勉強になりました。
ちなみに、その後マイホームを購入する場合にこの経験はかなり役に立ちました。おかげさまで、近隣住民とのトラブルは未だ一度もありません。
