「巷で人気のおにぎりを真似すれば売上が伸びるんじゃないか?」
「インスタ映えする変わり種を出せば話題になるのでは?」
おにぎり屋の経営をやっていると、ついついこうしたことを考えてしまいます。
実際、こういった“商品開発”はとても楽しい時間であることは否定しません。ただ、事業として続けていくためには「売れる」だけでは不十分ということも知っておく必要があり。本当に必要なのは、「リピーターを生む」ための商品構成なのです。
「売れる」と「利益が残る」は別物
仮にSNSでバズって一気に来店数が増加したりバカ売れしたとしても。仕込みに手間がかかりすぎたり、人件費や廃棄ロスが増えるような商品では、最終的な利益は残りません。
おにぎり屋を事業として続けていくことが前提なのであれば。一発屋的なヒットよりも、“何度も来たくなるお店”をつくることこそが、おにぎり屋経営の肝になるわけです。
何も戦略がなければ、そもそもおにぎりは手間の割には儲けが少ない商品の代表。販売戦略にしても、単価の低いおにぎりを単品売りしているようじゃ販売にも手間が掛かってしまいます。
「売る」ことは大切ですが、それ以上に「利益が残るか」を考えることが小さなおにぎり屋の経営にとっては重要なのです。
商品構成の基本は「主力+α」
では、リピーターを生む商品とはどういったものか?
リピーターを生む商品ラインナップには共通点があります。それは、「迷わず選べる安心感」と「ちょっと試したくなる選択肢」が共存していること。例えばおにぎり屋であれば、このような商品構成にするとどうでしょう。
- 主力おにぎり
-鮭・牛肉しぐれ・明太子などのタンパク質系 - 補助系おにぎり
-昆布・梅・おかかなど - 変動枠おにぎり
-季節限定・曜日限定・イベント企画ものなど
“新規のお客さん”を惹きつけるためには、巷でトレンドとなっている食材や変化球(変動枠)おにぎりかもしれませんが。“リピーター”をつくるのは、結局「安心して選べる定番おにぎり」だったりするわけです。
もちろんリピーターであっても、たまには定番の(主力)おにぎり+こだわり系のおにぎりや変化球系のおにぎりを合わせて食べることで、いつもと違う雰囲気を味わえるため、さらにリピート率が高まる可能性もあります。
つまりは、商品はむやみやたらに増やせばいいというわけではなく、商品の役割を分けて構成として品ぞろえることで、新商品を創る場合にもどんなおにぎりを開発すればいいのか、あるいは新商品投入と同時に同じ系統のおにぎりを1品減らすといったことが判断しやすくなるわけです。
リピーターは「選びやすさ」に反応する!?
リピーターの方が足繁く通ってくれる判断材料として「選びやすさ」は重要です。
例えば、あなたが初めて訪れる飲食店などに行ったとき、選択肢が多すぎて迷ったことはないでしょうか?
それはおよそ他の人でも同じです。人の持つ特性として、選択肢が多すぎると逆に選ぶことが難しくなるという研究結果もあるくらい、人間は迷う生き物であるということ。
- 10種類の中から「3個選ぶ」なら楽しい
- 25種類の中から「3個選ぶ」のは、案外ストレス
もちろん、どのような商品構成なのかにもよりますが。リピーターにとって大事なのは、「今日もあれを買おう」と思える定番の主力メニューがあることが前提で。
つまり「迷わず買える商品設計」こそがリピートを生むわけです。あなたが行きつけの飲食店を利用するときだって、およそ毎回同じものを頼んでいるという傾向はないでしょうか。
商品が“仕組み”をつくる
さらに、商品の構成はオペレーションにも直結します。例えば、
- よく出るメニューを朝一で大量仕込み
-商品が少なければそれだけ生産効率がアップします。 - こだわり商品は数量限定
-主力以外の商品は売り切れごめんで手間を省く - 曜日限定商品で曜日別の仕込み量を平準化
-曜日を限定することで、スタッフのシフト調整も計画的に行える
こうした設計をすることで、「何をどれだけ作ればよいか」が明確になり、現場の負担が激減する場合もあります。つまり、商品は単に「売れるかどうか」ではなく、店を回す“仕組み”の要でもあるということ。
まとめ|商売として続けられる商品構成
「何が売れるか」だけを追いかけてしまうと、仕込み・接客・発注・・・、あらゆる業務が商品に振り回されていきます。そうではなく、
- 売れる+残る商品
- 効率よく回せる商品構成
- “また来たくなる”理由があるラインナップ
こうした視点をもって、「商売として続けられる商品構成」をつくっていくことが、小さなおにぎり屋の経営にとって大切なことなのです。
あなたのお店でも、ただ売れるもの、ただ売れそうなおにぎりだけを考えるのではなく、商品構成という枠組みの中で役割を分けたおにぎりづくりを取り入れることをお勧めします。



