「まだ銀行からの借入れが残ってるんで、お店をやめるにやめられず…」
「今年1年間はとにかく踏ん張って盛り返して(借金を返して)いきたい…」
お店を続けようかどうか、閉めたほうがいいのかどうか迷ったままの状態で、とりあえずお店の営業を続けられている方は多いように感じます。
一番はやっぱり”借入れ”の存在ですね。残った借入の返済のことを考えると、年齢も年齢なのでどこかにお勤めして返していけるような額ではない。結果的に、なんだかんだでお店を続けていく。
このようなケースもありました。
以前までは、2~3人ほどパートの方を雇用されて営業されていた個人経営のお弁当屋さん。
開業してからどんどんスタッフを増やしていったはいいけど、
- 売上に対して適切な人数なのか?
- シフトは適切に組んでいるか?
- 業務内容は決まっているか?
およそスタッフを入れる体制が整ってないまま、単に自分が忙しくなってきたからといった理由でスタッフを増やしたものだから。
- 暇な時間にもかかわらず、スタッフ数がやたらに多い
- 暇だから作業スピードも遅くしゃべってばっかり
- 挙句の果ては自分(事業主)への陰口をたたかれる
などなど、およそご自身が想定してなかった状態で苦しんでしまう。このようなケースは案外多いと感じます。
このお弁当屋さんの場合、あまりにもお金が残らない(むしろ減っていく)ことから事情(経営上やっていけないという理由)を説明してパートの方全員にやめていただき。一人で再スタートする道を選んだわけなのですが…
資金繰りに困っている方の多くは、
- 「毎月売上がいくらほどあればやっていけるのですか?」
- 「ひと月あたり、平均いくらほど利益があるんですか?」
- 「お客さん一人当たり、どれだけ買ってくれてます?」
このような簡単な質問をしてもすんなり答えが返ってくることは珍しく。
「このままだと、もってあと半年。いや3か月かな(心の声)」
そう感じることもしばしばあるわけです。
意気込みだけでお店の資金繰りがうまくいくほど甘くないのが商売というもので。やはり最低限の知識は必要になります。
「すべて手作り!」と謳っていることに偽りなく。おかずに使われている食材も地元の野菜などが使われたりと、作り手のこだわりが伝わってくるお弁当屋さんもちらほら。純粋に素晴らしい活動だと思います。
ただ、やはり数字で構成されている市場の中でお弁当屋さんを経営していくのであれば、そこ(数字)から目を背けるわけにはいかないわけです。
数字的根拠なしに借入の返済などできるはずがないからです。
資金繰りに困っている方と話していつも思うことは、みなさん一様に「売上」しか気にしていないということです。
いや「売上」というより「入金額」だけといったほうが的を得ているかもしれません。
お店を営むための最低限の知識さえも持ち合わせていないのが、世の中の多くの小規模経営者の現状なのです。
「売上さえ上がれば借金が返済できるなどということは間違いですよ。借入の返済は売上金から支払うわけではないんです。」
事業を営む過程でそのことに気づく方もいれば気づかない方もいる。気づいたときには「時すでに遅し」ということも往々にしてある。
そして、そのことに気づくのは他人の力ではどうしようもなく。ただ気づくことができるきっかけを提供し続けることだけしかできない。というもどかしさを日々感じています。
