おにぎり屋を始めてしばらくすると、こう思う瞬間が訪れます。
「……毎日同じことやってるな(ボソっ)」
「あー。けっこう大変だな(ボソボソっ)」
そうです。それが「仕込み作業」です。
でも、この仕込み。やり方ひとつで想像以上に“効率化”できることを知らない方も実は多いのです。
今回は、僕自身の経験をもとに「仕込みを効率化するための考え方」をお伝えします。
① まずは「工程の分解」からはじめてみる
仕込みがツラく感じるとき。それは、すべての作業を“ひとつの塊”として見てしまっている場合が多いです。
たとえば、鶏肉そぼろを作るとします。
「ひき肉を炒めて、調味料を入れて、冷まして、容器に入れる」
これ全部を1つの作業として捉えてしまうと、負荷が大きく感じてしまいます。
では、こう考えてみるとどうでしょう?
- 冷凍庫から肉を出す
- 計量する
- 炒める
- 味つけする
- 粗熱をとる
- 容器に分ける
- シール(ラベル)を貼る
このように分けて考えてみると・・・
- 「前日までにやっておける工程」
- 「当日でないとできない工程」
この2つが見えてきます。ここが分かれば「自分が“やる必要のない部分”」も見つかります。
② ストック(冷凍/冷蔵)を味方にする
「毎日仕込むのが当たり前」
そう思われている場合、このように考えてみればどうでしょう。
たとえば…
- 鶏そぼろはまとめて作って冷凍しておく
- いなり用の油揚げは2日分仕込んで冷蔵保存
- たくあんや佃煮は1週間分カットして真空パック
こうした“ストック思考”があるだけで、「毎朝のルーティンから外せる工程」が増えるわけです。
もちろん食品によって保存期間は違いますが、
「安全に・かつ”おいしく”保存する工夫」
この考え方を積み重ねていくことができれば、仕込みの負担はどんどん減っていくわけです。
③ 「レシピ化」ではなく「工程化」する
仕込みのマニュアルとして「レシピ表」くらいであればよく使われているのを見かけます。
でも実は、レシピは料理に使うモノであって。事業として商品をつくる場合においては、レシピだけでは不十分なのです。
なぜなら「味の再現」だけではなく、「時間と手間の再現」こそが仕組み化の肝だからです。
例えば、
| 工程 | 作業内容 | 時間目安 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 1 | ご飯を炊く | 50分 | スイッチON(無人) |
| 2 | 鶏そぼろを炒る | 20分 | 火加減は中火、焦げないように注意 |
| 3 | 粗熱をとる | 15分 | 扇風機使用で時短可 |
↑こうした工程表ベースで仕組みを組むと、
- 「新人でも再現できる」
- 「ミスが減る」
- 「自分が不在でも回せる」
という状態に一歩ずつ近づいていきます。
「この仕込みを任せることで、自分の時間が〇分捻出できる。だとすれば、前からやりたかった〇〇(集客業務)にひとつ挑戦してみよう」
そのような、前向きなモチベーションも生まれてくるわけです。
④ 効率化のゴールは「再現性」
ひとつ勘違いしがちなポイントとして・・・
効率化=機械化ではありません。
効率化=人がやらなくて済む状態、でもありません。
“誰がやっても、同じ結果が出る”状態こそが効率化のゴールです。
つまり「再現性」。
これがあるからこそ、「1人でもムリなく」あるいは「人を雇っても任せられる」ようになるわけです。
仮に、機械を導入する場合でも。ここがハッキリしていない状態では、望むような成果を得られることは難しいのです。
まとめ
「仕込み」は「販売(接客)」とはまた異なる業務であり、お客さんから直接見える業務ではありませんが、おにぎり屋を経営する裏側で体力も神経も使う仕事です。
だからこそ、「やり方」を見直すことでラクにする必要があるのです。。
- 工程を分解して、やるべきことを整理する
- ストックや保存術を活用する
- 工程表で再現性を高める
“効率化”とは、働くすべてのスタッフが疲弊しないで事業を続けていくための知恵と工夫であり。
日々営業を続けていく中での改善の積み重ねなのです。
