【ワンオペ仕様】お店の改装で実施した数々の失敗

僕がおにぎり屋を開いた当時、お店を経営した経験はなく戦略や店舗経営ノウハウなど、そういった知識はほとんど持ち合わせていない状態でした。

ネットの情報や実際に何度かおにぎり屋を利用した経験などから、おにぎり屋のメニューなど表面的なことは何となく掴んではいましたが。内部に関する店内オペレーションなどについては皆目見当もついていない状態です。

「まずは一人でサービス提供(ワンオペ)しながら少しずつ改善していこう」という意気込みだけはあったので。店舗レイアウトといいますか厨房機器の配置場所は一人で回すことを前提に構成しました。

この記事では、僕がおにぎり屋を始めるために改装した店舗設備とレイアウト。実際に営業してからの反省を簡単にまとめています。

来店時のコンタクトと水回り

当時の僕が飲食店で働いた経験はというと、学生時代のバイトと社会人になってからのわずかしか経験したことがなく、しかも当時はそんな事業者目線からも見ていませんでした。それでも、いざ店舗レイアウトを考えてみると、自分の中では中々センスがいいレイアウトに仕上がったんじゃないかと、若干調子に乗っていた記憶があります。

一人で営業するうえで一番重要だと考えたのは、来店したときのお客さんとのコンタクトです。お客さんが来店したとき、必ず店主である僕の顔を見られること、お互いに顔を合わせられることを重視しました。なので、仕込みや洗い物など、営業時間の中で一番立っている確率が高いだろうと予想した場所に大きなシンクを配置しようと考えました。もちろん、来店した時に顔が合わせられるようにと、入口に向かって対面に配置。その背面に冷凍冷蔵庫を設置しました。

揚げ物フライヤーは油煙がホール側に行かないよう、厨房の一番奥に配置し。その横にガス代・炊飯台と、一人で効率よく動けるような動線にしたわけですが、結果的にこの動線は失敗でした。

たしかに仕込みに関してはシンクを使うし冷蔵庫も使うので悪くはないのですが。営業時間内に使うことはほとんどなく、作業台を使っていることが多かったため、それも奥側の作業台なのでお客さんが来店するたびにグルッと回ってレジに行かなければならないのでそれがネックとなり、開業初日から作業台の位置を変更することになりました。

水回り関係も甘く考えていたのは大失敗でした。しかも、作業台や作業棚などは配置をずらせばいいだけでしたが、シンクなどの水回り関係については、排水溝や水道管の位置を簡単に変更することは出来ないので、開業早々無駄な費用を支払う羽目になりました。

一点、来店されたときに顔を合わせることができるという考え方は間違っておらず。それによりお客さんとのコミュニケーションは十分に取れたと思っています。

腰壁は無駄に動線が制限された

もともと消費者金融という事務所使用のテナント物件だっため、飲食に利用できる設備は何もありませんでした。ということで、厨房と売り場は明確に分離しておく必要があると考え、それらを分け隔てるために腰壁と垂れ壁の設置を考えました。

腰壁と垂れ壁との間にガラスかアクリル板で完全に仕切ろうとも考えましたが、それだと衛生的にはよく思えたのですが、お互いの声が聞こえにくいかもしれないということで却下しました。ワンオペなのでそこは重要だと考えたわけです。結局、腰壁と垂れ壁の間には何もつけず、そのままの状態で営業を開始しました。

当時の実際の状態です

ですがこの腰壁を作ったのは結果的に失敗でした。というのも、後に販売形態を変更したからです。

開業当初は、握ったおにぎりを袋詰めしてホール(売り場側)側から手を伸ばして商品を取れるよう、陳列棚を作って並べて販売していましたが。それだと手間がかかりすぎて経営的にやっていけないことが判明したため、ショーケースを使った対面販売に切り替えたからです。

もちろん、このショーケース対面販売に関してもいろいろ問題があったのですが、当店舗の間取りに対してこの位置に腰壁を取り付けたのは明らかに失敗だったのです。腰壁に関しては、はじめから造作として作らなくてもアイディア一つで代用できるし。いざ造作として作ってしまうと動線が制限されてしまうため、店舗経営素人の状態では必要なかったといえます。

厨房床の底上げ

厨房床に関しては、費用を抑えるために既存のフローリングの上に水道配管むき出しの状態でモルタルなど流さなくていいかとも考えましたが。やはり衛生的なことや足元の配管に躓くことなどを考慮してその案は却下。

既存のフラットな床(事務所使用だったので一面がフローリング)に対し、厨房部分になる床を斫り、そこに水道配管・排水配管を通すように考えました。そこにモルタルを流して厨房床として機能させようと。なぜなら、唐揚げをはじめ油物を調理するとなれば必ず油汚れが発生するため、それらの汚れを水(湯)で流せないとなれば、衛生的にもずさんな状態になると想定したからです。ただ、結局は上どちらの案も採用しませんでした。

「もうひとつ方法があるんだけど」と、業者さんがまた別の案を提示してくれたからです。というのも、既存の床をハツってそこに配管通してモルタル流してとなると、それだともし上手くいかなかったとき(廃業した時)、原状回復時に余計に費用が掛かるらしく。床を直接斫るのではなく「厨房部分を底上げすることで対応した方がいい」と言われたのです。

結局そのアドバイスを採用して、もともとの床をベースに水道配管・排水配管を通し、そこにモルタルを上盛りする形で施工してもらうことに決まりました。

(実際の感じ)↓既存の床から200mm程底上げ。横から見るとこんな感じです

原状回復時の費用については、正直安く上がったのかは定かではありませんが、このやりかたについては、開業後もこれといった不便もなかったので悪くなかったのではないかと思います。ただ、お店の経営経験もなく再現性のあるフランチャイズ店でもなかったわけなので、オペレーションが確立されていない状態でここまでする必要はなかったとも考えています。

なるほど換気のプロがいるわけだ

それと、おにぎり屋ではありますが、おにぎりだけではなくサイドメニューとして唐揚げも提供する予定だったためフライヤーが必要でした。さらに、最悪おにぎり屋がダメだった場合は、弁当屋に変更することも視野に入れていたので。そうなると、おにぎり屋以上に油物を揚げることになり常時フライヤーを使うことにより常に油煙が発生します。

そうしたことを考慮して換気について考えていくわけですが。実はこの当時は換気についてあまり真剣には考えてなく、換気扇の位置は想定する厨房機器の位置に合わせてここがいいな、といったアバウトな感じで簡単に決めてしまったのです。

開業後に実際に営業して気づいたのですが。実はこの換気については、窓(空気口)がどの位置についているか、どのくらいの大きさかで空気の滞留具合や流れが大きく変わってきます。そういったことを理解したうえで配置なり換気扇の大きさなりを考えなければ、換気の役割を果たせない場合もあります。

おにぎり屋を始める前はそんなことを知る由もなかったのですが、いざ営業してみると、なるほど換気の専門家がいることが理解できるようになったほどです。

天井高2,400mmに対して、厨房部分が200mm上がっているので、厨房部分の実質天井高は2,200mm。換気機能を高めるためには、天井高より高い位置にダクト管を上げて、そこから排気口で逃がす方法が良いと指摘を受けましたが。追加で費用も掛かるし、同建物の2階には別の住人が住んでいたので、結局その方法は採用できませんでした。

結局、換気扇は側壁の真横に向いて出るように設置することになりました。それと、「この施工方法では、換気扇一つでは湯煙がしっかり抜けない可能性がある」と業者さんからアドバイスを受けたため、その対策として同じタイプの換気扇をもう一つ設置してもらうことにしました。

ただ、そのアドバイスは結果的には外れでした。換気扇を2つ同時に使用すると排気力が強すぎたため、入り口ドア(引き戸)が店内の圧に引っ張られてしまい、当時27歳というピチピチの若者の僕をもってしても、かなり開けづらい状態だったからです。

結局、常時1つだけを動かすことだけで事が足り。もう一つの換気扇はずっと使わないままその役目を終えることになりました。